
2013/8/29 更新
だいぶ以前に少し述べましたが、予防について再考したいと思います。まず今回は虫歯から。
患者さんの声で“しっかり磨いているのに何で虫歯が出来てしまうのだろう?” "最新の高価な超音波歯ブラシにかえて、歯磨き粉も変えたのに また虫歯になってしまった“等々 多くの患者さんが歯磨き(ブラッシング)の出来 不出来で虫歯になってしまうと思っているみたいです。 しかし 歯磨き(ブラッシング)不足のみの理由で虫歯にはならないのです。
虫歯になる条件として、1砂糖の量(歯を溶かす酸の原料)2細菌の量(歯磨き)3唾液の量(洗い出し)4歯の表面につく傷
これら4つの条件が重なりあって虫歯は出来るのです。ゆえにブラッシングがどんなに完璧に行われても 細菌の量を減らすことしか出来ず、かつ細菌をゼロには出来ないのです(無菌にはならない)。
毎日 磨けていない歯 すなわち歯垢(プラーク)、歯石がついている歯をたくさん見ています。その汚れている歯がすべて虫歯になっているか?
多くの患者さんが磨けていない天然歯の下の前歯の裏側は虫歯になっているか? なっていないのです。この1つの事実をみてもブラッシング不足=歯垢 歯石の沈着=虫歯ではないのです
ブラッシング不足だけでは虫歯にならないのです、ということは、ブラッシングのみ完璧でも虫歯予防は出来ないのです。
もう1つ虫歯のよくできる場所とされている歯と歯の間 確かに日々診療の中でものすごく多く歯と歯の間の虫歯治療をしています、この場所にできる虫歯の原因を歯垢 歯石といった汚れ(細菌)のみで考えると、手前の歯の奥よりと、奥の歯の手前より同時に虫歯になるはずです。歯と歯の間についている汚れ(細菌)のみが原因なら。 しかし実際は多くの場合片方の歯だけ虫歯になり、もう片方の歯は無事だったりします。この事実も細菌のみで虫歯は出来ないことが解ると思います。
現実的に考えて、歯磨きが上手に出来ないことだけで 虫歯になっていたら多くの人が虫歯だらけになってしまうでしょう(笑)。でも実際にはならない、他の原因が重なってはじめて虫歯になると考えるほうが自然です、先に述べた他の原因 砂糖の量 唾液の量 歯の表面につく傷 これらの原因が加わり重なり合ってはじめて虫歯を作るのではないでしょうか。
虫歯予防を考えると、普通に歯磨きをして、甘いもの(特に砂糖)をひかえめにして、回数多く咀嚼して唾液を多く出して、歯の表面に傷がつかないように歯を使うと言う事になります。(歯の表面につく傷に関しては、とても重要なキーワードなので、次回説明します)
ただこれらの正しい習慣を身につける事は大変難しいことでしょう、多くの人にブラッシングだけで虫歯予防は出来ない事を知ってもらい 実際に虫歯が減ってくれる事を願います。(私たちの仕事は減りますが 笑 )
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